フランダースの犬とルーベンスの絵
2018-02-25
小松絵画教室 暇潰しの美学
″ルーベンス″という画家をご存知でしょうか?
どこかで聞いたような…
実はあの名作アニメのラストシーンで主人公が最後に見た絵画の制作者。
その名作アニメとは…
今回は
《フランダースの犬とルーベンスの絵》
●ルーベンスとは?一言でいうと天才!

ペーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens )
法律家の息子としてドイツのジーゲンに生まれる。
幼い頃は人文学教育を受けていたが、後に絵の才能を見いだされ14歳で絵の修行を始める。
その後現在のベルギーのアントワープの絵画工房で修行。
1600年にイタリアに赴き、イタリアのマントヴァ公の宮廷画家となる。
1608年ベルギーに帰国しネーデルランド総督の宮廷画家となる。
ベルギー(アントワープ)を拠点に大工房を組織して各国の王族貴族の注文を制作。
ベルギー(アントワープ)を拠点に大工房を組織して各国の王族貴族の注文を制作。
宗教画・肖像画・神話画など多彩で精力的に活動し、バロック絵画最大の巨匠といわれる。
画家以外にも、人文学者、美術コレクター、7ヵ国語を話せることから外交官としての肩書きも持つ。
絵描きの才能だけでなく、知性の発達もすごかったことがうかがえます。
しかし各国の上流階級から依頼を受けていたわけですから、7か国を言語を話すというのも納得です。
多言語を話せるというのも、ルーベンスが頭の良い人物であったということ
そして、人との繋がりを大切にしていたということがわかりますね。
●建国を助けたルーベンスの絵

あの"ルパンのカリオストロの城"のモデルのお城になった、リヒテンシュタインという国があります。
世界で6番目に小さいと言われる小さな国。
この国の建国を助けたのは、なんとルーベンスの絵なのです。
16世紀この時代、良い美術品が社会的地位を上げるための戦略でもありました。
そんな中、アンドレアース侯爵という人物が一国の君主になる夢を抱いていました。
彼は、この時代に爵位もない家柄から侯爵にまで地位を築き上げたカール一世の孫。
ある日、アンドレアースはルーベンスの傑作が売りに出されると耳にします。
侯爵はどうしたか?
現在の200億円ともいわれる大金で購入します。
一枚の絵にです。
その絵は、命を投げ出し国を守る古代ローマの英雄を描いた
《戦におけるデキウス・ムスの死》という絵です。

《戦におけるデキウス・ムスの死》ペーテル・パウル・ルーベンス
この絵を手に入れた彼はこの絵を前に、自分が必ず国を治めるのだと固く信じ
ライン川とアルプスに挟まれた土地の支配権を手に入れ
リヒテンシュタイン候国の基礎を確立します。
リヒテンシュタイン候国の基礎を確立します。
それ以後、美術品収集は家訓にまでなったそうです。
それがイギリス王室のコレクションに匹敵するともいわれる美術品をもつ、膨大なコレクションを築き上げてきたのがリヒテンシュタイン候国なのです。
その始まりがあのルーベンスの一枚の絵画でした。
●『フランダースの犬』のネロが最後に見た絵画

お馴染みのアニメ『フランダースの犬』。
あのアニメのラスト、ご存じでしょうか?
非運な運命の少年ネロが愛犬パトラッシュとともに
アントウェルペン大聖堂の絵画の前で死を迎える…。
画家に憧れていた少年ネロが
『ぼくはどうしてもこの絵が見たかったんだ』と言っていたその絵とは
ルーベンスの《キリストの降架》。

《キリストの降架》ペーテル・パウル・ルーベンス
十字架にかけられたイエスの亡骸を降ろす光景を描いたこの作品。
聖母マリアや弟子のヨハネ、マグダラのマリアたちがイエスを抱え降ろすこの場面。
この一見悲しい場面、ルーベンスの手にかかれば
まさに今、イエスの魂が光によって天国へと導かれている崇高な場面に描かれているのてす。
そしてこの絵を見たネロとパトラッシュは光の中天使とともに天国へ導かれて物語は終わります。
いかかでしたでしょうか?
アニメにも名画は登場したりもします。
こんなところでも、絵画やアートの興味の入り口になってもらえれば嬉しく思います。
ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。
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